BtoB企業のデジタルマーケティングが難しいと言われる5つの理由

 

1.BtoCとBtoBでは、購買行動が根本的に異なる

 

デジタルマーケティングと一言でくくると、BtoCもBtoBも同様の手法が通じそうですが、そうは簡単にはいきません。実は、BtoCとBtoBでは、購買行動が根本的に異なるのですが、WEB業界のサービス供給者は、BtoCのノウハウしか保有していないことが多いのです。理由は、「BtoCを手掛けたほうが儲かるから」。儲かるBtoC企業を相手に商売をしてきた既存企業には、BtoBの支援実績や蓄積されたデータ、知見が存在しないことが多くあります。書籍やWEB等で紹介される方法もBtoC向けのものがほとんどで、BtoBの業界で本当に成果につながるノウハウを持っているはまだ少ないのが実情なのです。

 

 

2.BtoCと比較して、検索回数が圧倒的に少ない

 

BtoCと違い、BtoBでは検索回数自体が圧倒的に少ないのです。BtoCでは月間数十万回検索されるキーワードなども多いのですが、BtoBでは、月間数百回、下手をしたら数十回しか検索されないキーワードがほとんどです。この少ない検索回数の中で、いかに自社商品・サービスに興味を持っている見込客と接点を持つか、がポイントとなります

 

3.SNSは成果を生み出さない、スマホはCVが取れない、など、BtoBでは打ち手に制限がある

 

BtoCでは、一般消費者の衝動買いが発生し得るため、エモーショナルマーケティングと呼ばれる感情に訴えるマーケティングが有効的です。日々スマホを使って情報収集をしている消費者とSNSなどを駆使して接点を持ち、単純接触回数を増やしたり、「期間限定」などの感情を揺さぶるキーワードで購入を訴求することで、販売数を伸ばしていくことが可能となります。

一方、BtoBにおいては、見込客の情報収集はパソコンを使って行われることが多いため、SNSを活用してもあまり成果にはつながりません。仮にご担当者が情報収集をスマホで行っていたとしても、CV(コンバージョン)と呼ばれる、申込やお問い合わせなど、個客情報を入手できる行動は、ほぼパソコンから行われているのが実情です。また、BtoBでは購買意思決定を複数人で行うため、衝動買いということ自体が発生しません。BtoCと違い、BtoBマーケティングでは打ち手に制限があると言えます。

 

 

4.製品やサービス内容が専門的であり、WEB業界のサービス供給者が直感的に理解できない

 

BtoCでは、文系大卒のディレクターがお客様と打ち合わせをすれば、「消費者としての感覚」の裏返しでマーケティングの企画・実行を行うことが可能となります。一方BtoBでは、マーケティングを行いたい製品やサービス内容が専門的であり、クライアントの資料を少し読んだくらいでは、ディレクターが製品自体の特長を把握することすらできません。製品を理解できず、またターゲット企業のイメージを持つことができないため、マーケティングの企画すら立てられないことが多いのです。

もし御社がBtoBのマーケティングをどこかの企業に託そうと考えられているのならば、そのマーケティング企業にこう質問してみてください。「BtoCではなく、BtoBでのマーケティング実績はありますか?」と。恐らく、マーケティング企業が意気揚々と並べている過去の支援実績などは、BtoCのものがほとんどでしょう。BtoB企業がマーケティングを外注する際には、「自社商品・サービスをその会社は理解してくれるか?」「ターゲットをイメージできるか?」「そのターゲットに対して適切的確にリーチする手法を持っているか?」などをしっかりと確認した上でご発注されることをおすすめします。

 

 

5.BtoB企業は、デジタルマーケティングに多額の予算を割くことができない

 

BtoBの特性として、「商談規模が大きいため、基本的には最後のクロージングは人間が対面で行う」というものがあります。リードタイム(初回接触から契約までの期間)が長く、かつ商いの金額も大きいことから、人と人で商談をするのは当然のことと言えます。でも、営業畑出身の経営者や営業部長がマーケティングの企画をされると、「お客様は足で稼いで探すものだ。見込客発掘や関係構築をWEBなんかで出来るわけがないだろう」という一昔前の持論を持ちだし、結果としてマーケティング部が上申するデジタルマーケティングの稟議を却下されてしまうことが多くあるはずです。

ご自分がデジタルの力を活用して見込客発掘や関係構築をしたことが無いがために、最先端のデジタルマーケティングで成果創出が可能ということを信じ切れず、結果としてマーケティング費用は微々たるものしか決裁してくれない、という悪循環が生まれます。同様に、マーケティング担当者も専任ではなく、兼任の方が多く、とてもじゃないが最新のマーケティングノウハウをキャッチアップすることができない状態で仕事をされている方が多いのではないでしょうか?

特に上記1~3は、BtoBのデジタルマーケティングは難しいと言われている理由です。
それでもデジタルマーケティングの必要性を感じ、興味をお持ちいただける場合は、ぜひ弊社にお声がけいただけると幸いです。