「デジタル化」で成果創出するには、まずマーケ部と営業部の分断を無くす
1.マーケティング部と営業部は互いに文句を言いあっている
大きな組織が「マーケティングや営業のデジタル化」を実現して成果創出をしようとすると、ほぼ間違いなく共通した「壁」に当たります。それは、「マーケティング部と営業部がそれぞれのやり方を認めていないため、連携がうまくいかない」というものです。
一般的に、組織が大きくなればなるほど、「マーケティング部」と「営業部」はそれぞれ個別のチームを作り、各自のミッションを果たそうとします。
マーケティング部は「1人でも多く良質なリードを営業部に渡すこと」、営業部は「マーケ部から受け取ったリードから1件でも多く成約を獲得すること」をミッションとしているはずです。でも現実は、マーケ部・営業部ともに、相手に対して「期待通りに動いてくれない」などと不満を感じていることが多いようです。
マーケ部は営業部に対して、「彼らはせっかく自分たちがマーケティングを行い、ホットリードをセールスパスしてあげているのに、しっかりとフォローしてくれない。今すぐ客じゃないと言ってすぐにフォローを諦めるのはやめてほしい」
営業部はマーケ部に対して、「マーケ部が送ってくるリードはホットだということになっているけど、薄い案件ばかりだ。営業現場を知らない人がマーケティングをしていから仕方がないが、彼らから上がってくるMQL(見込リード)は、ほとんど使えないよ。やっぱり営業は俺らが足で稼ぐしかないのかな?」
などと不満を言っているはずです。
もし、御社が「マーケティングや営業活動をデジタル化して、もっと成果創出をしたい」と考えられている場合には、まずはこの「マーケティング部と営業部の分断」を無くすことから始めなければなりません。
2.マーケ部⇒営業部⇒マーケ部 の流れを作る
今、デジタル化を推進している多くの企業で抱えている課題が、「マーケ部がホットリードを営業部に渡した(セールスパスした)後は、その進捗をマーケ部が把握できない」「一度営業部に渡されたリードは、二度とマーケ部に戻ってこない」という2点です。
多くの営業マンは「狩猟型」であり、「フォローをしたが今すぐ客ではなかった」場合には、そのリードに対して継続的にフォローをし続けません。もちろん営業改革を行い、見込みの薄いリードに対しても営業マンが継続的にフォローをし続けるようにすることが望ましいのですが、それは少し難しいかもしれません。
そこで弊社が推奨するのは、「マーケ部⇒営業部⇒マーケ部」のように、一度営業部に渡したリードであっても、見込みが薄く、営業マンが継続的にフォローをし続けないであろうリードは、再度マーケ部に引き継いでナーチャリングを行い、個客接点を増やしていく、というフォロー態勢の構築です。
営業マンがフォローをしたが、「今すぐ客ではなく、継続的なフォローもしづらいリード」は素直にマーケ部に差し戻してしまえば良いのです。マーケ部はいわゆる「ナーチャリング」を行い、そのリードがホット化したタイミングを見逃さないように個客接点を続けていきます。この活動により、一度は営業の手に渡り、フォローをしたが見込みが薄かったリードが、ある日再びホットリードとなり、自社の見込客となっていくのです。
御社でも「中長期管理客という名目のボツ客」リストが多く存在していませんか?せっかくお金をかけて集めた資産であるリードが放置されることの無いように、まずはマーケ部と営業部の連携をしっかりと行い、営業部からマーケ部に再度リードを差し戻すという連携をとることが、「デジタル化による成果創出」の第一歩と言えます。
やみくもにお金をかけてデジタルツールを入れるだけでは、成果創出にはつながらないので要注意ですよ。